投資信託を購入するとき、誰しも銘柄選びで悩むことがありますよね。
特に「eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)とeMAXIS Slim 全米株式(S&P500)、どっちを買おうか迷っています…」という方が多いように感じます。
結論から言うと自分の投資法を突き詰めていくとどちらかひとつに絞れると思いますが、もちろん両方投資するのが間違いということではありません。
そこで今回の記事では、
- オールカントリーとS&P500の違いとそれぞれの特徴
- 両方買うのってアリ?考え方とポイント
について深掘りしてご紹介していこうと思います。
この記事を書いた人
りりな
- 結婚4年で資産3,000万円を達成。投資診断士/資産運用検定2級を取得。
- Instagramフォロワー数27万人超。主婦にやさしい家計管理×投資情報を発信中
- 大学のお金の授業や、マネーフォワード「お金のEXPO」へ講師として登壇。資産運用検定2級の知識を活かし、各証券会社メディア・テレビ・ラジオ番組などへ多数出演
- 著書「主婦にやさしいお金の増やし方BOOK」累計4万部を突破
この記事を書いている私は、投資歴6年以上です!失敗も経験しながら、主婦でもできる堅実な資産運用をしています!将来になんとなく不安がある・・と言うあなたに、分かりやすく資産運用の方法をお伝えしますね!
まずはオールカントリーとS&P500のポイントを比較!
オールカントリーとS&P500は比較される場面が多い銘柄ですが、両者は似ている部分と全く違う部分を併せ持っている銘柄です。
2つの銘柄で迷っている方は、まずオールカントリーとS&P500の違いを比較してみましょう。
①投資先の違い
まず最初に知っておきたい2つの銘柄の大きな違いは、投資の分散性です。
- S&P500:100%アメリカ
- オールカントリー:アメリカ約60%、日本約5%、イギリス約3%…その他先進国、新興国に幅広く投資
S&P500は100%アメリカ企業への投資!
対してオールカントリーは、アメリカの割合が多いものの他の先進国・新興国に幅広く投資してる…!
「アメリカの企業に」分散投資をしたいのか?
「アメリカだけでなく全世界に」分散投資したいのか?
この点が大きな違いとして挙げられますね。
②上位組入銘柄
上で投資先を「全世界か」「アメリカ限定か」が大きな違いとご紹介しましたが、それぞれの上位組入銘柄を見てみると…
eMAXIS Slim 全世界株式 (オールカントリー) | eMAXIS Slim 全米株式 (S&P500) | |
---|---|---|
1位 | APPLE INC 4.2% | APPLE INC 7.0% |
2位 | MICROSOFT CORP 3.4% | MICROSOFT CORP 6.4% |
3位 | AMAZON.COM INC 1.6% | AMAZON.COM INC 2.7% |
4位 | NVIDIA CORP 1.1% | NVIDIA CORP 1.9% |
5位 | ALPHABET INC-CL A 1.0% | ALPHABET INC-CL A 1.8% |
6位 | ALPHABET INC-CL C 0.9% | BERKSHIRE HATHAWAY INC-CL B 1.6% |
7位 | META PLATFORMS INC-CLASS S 0.8% | ALPHABET INC-CL C 1.6% |
8位 | EXXON MOBIL CORP 0.8% | META PLATFORMS INC-CLASS S 1.5% |
9位 | UNITEDHEALTH GROUP INC 0.7% | EXXON MOBIL CORP 1.4% |
10位 | TESLA INC 0.7% | UNITEDHEALTH GROUP INC 1.3% |
(オールカントリー)目論見書/eMAXIS Slim
S&P500目論見書
比率に違いはありますが、10銘柄中9銘柄が同じということが分かるかと思います。
(銘柄と組入割合は定期的に変更となります。最新情報は各目論見書をご覧ください)
「オールカントリー」と言っても、各国均等に投資をしているわけではない!
アメリカは世界一の経済大国なので、必然的に組入割合は大きくなるんだね。
③年間収益率
続いて、年間収益率を見ていきましょう。
eMAXIS Slim 全世界株式 (オールカントリー) | eMAXIS Slim 全米株式 (S&P500) | |
---|---|---|
2018 | -7.5 | -7.7 |
2019 | 26.8 | 30.5 |
2020 | 9.0 | 10.3 |
2021 | 32.7 | 44.5 |
2022 | -5.6 | -6.1 |
2023 | 9.0 | 9.1 |
(オールカントリー)目論見書/eMAXIS Slim
S&P500目論見書
オールカントリーもアメリカを約6割含んでいるため、収益率の動きとしてはS&P500に似ていますよね。
しかし世界中に分散投資をしているだけあって、その上下の振れ幅はオールカントリーの方が抑えられているということが分かります。
eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)の特徴と投資対象
上でご紹介した3つの違いから、オールカントリーの特徴を解説していきます。
全世界に幅広く投資が可能で、分散性が高い
オールカントリーは名前の通り「全世界」に投資をすることができる銘柄。
先進国約80%・新興国約20%の割合となっているため、先進国特有のリスクを抑えつつもリターンを狙っていくこともできそうです。
組入銘柄数は約3,000企業にも及び、投資信託の中でもかなり分散性の高い投資先であると言えます。
1つの国に絞って投資しているわけではないので、政治・経済的なカントリーリスクも抑えられてる…!
よく「初心者さんにおすすめ」と紹介されているのには、このような理由があるということが分かりますね。
信託報酬の値下げが決定!ランニングコストが安い
投資信託は、個別株の詰め合わせパック。
投資家が個別株の売買をする必要がない代わりに、そのファンドを管理している「ファンドマネージャー」が存在しており、投資家はお礼として「信託報酬」を払う決まりになっています。
オールカントリーは従来から信託報酬のコストが安めである銘柄と言われていましたが、2023年9月8日からさらに大幅な引き下げがされました。
これによりオールカントリーの信託報酬は、
0.11330%(税込)
↓
0.05765%(税込)
およそ半分の割合になったんです…!
信託報酬はこのファンドを保有し続けている限り、売り買いしなくてもかかってくる維持管理手数料っていうイメージ!
なので、半分の割合になったっていうのはとても大きいよね。
eMAXIS Slim 全米株式(S&P500)の特徴と投資対象
続いて、S&P500の特徴についても確認していきましょう。
アメリカの大規模〜中規模企業500社への投資が可能
1本で全世界に投資ができるオールカントリーと違い、S&P500は「アメリカの企業のみ」に絞った投資信託。
絞ったと言ってもアメリカのS&P500指数を構成している大〜中規模企業500社に分散投資ができるので、「これからのアメリカのさらなる経済成長に期待して、” アメリカ国内のみで ” しっかり分散投資をしていきたい!」と思っている方にはピッタリかもしれません。
過去のリターン実績を見ても、直近5年はオールカントリーを上回っていることが分かります。
アメリカはグローバル企業が多い
「アメリカのみへの投資」と言っても、アメリカの企業はグローバルな企業が多いのが現状。
アップル、アマゾン、グーグル・・
日本でもアメリカの企業は暮らしの一部になっていますよね。外国でも同様です。
つまり、アメリカへの投資=間接的に世界中に投資しているという考えの方もいらっしゃいます。
ものは考えようだよね!広い視点を持つのも大切。
ちなみに私はオールカントリーではなく、S&P500を積立しています♪
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オールカントリーとS&P500、両方買うのってアリ?
タイトルにもある本題ですが、
- 結局オールカントリーとS&P500はどっちを買うべきなのか?
- 両方買うのはアリなのか?
という点を考えてみましょう。
分散性を高めたいか?アメリカの経済成長期待にフォーカスするか?
オールカントリーとS&P500を選ぶにあたっては、
- とにかく資産の分散性を高めたいか?
- アメリカにフォーカスして成長を期待するか?
この部分が大きな判断材料になってくると思います。
私は、単純にアメリカのさらなる成長に期待してる!
だからオールカントリーではなくS&P500を選んでいます。
投資信託の中身をしっかりと見てみると、自分の投資方針にあったファンドはどちらなのか?判断がしやすいのではないでしょうか。
悩んでしまうなら、両方購入してももちろんOK
中には、「どっちを買おうか迷ってしまってなかなか投資が始められない…」という方もいるかもしれません。
そもそも始めることができないと投資の機会を損失してしまうことになるので、そこまで悩むくらいならどちらも買うというのもアリだと思います!
両方買うなら、投資先の国と地域のバランスは要チェック
ただし、両方買うのであれば投資先のバランスを定期的に確認しておきましょう。
例えば同じ金額分を毎月積み立てているとすると、
- S&P500→全額がアメリカへの投資
- オールカントリー→さらに約6割をアメリカへ投資
アメリカへの投資比率が、かなり高くなることが分かると思います。
これを考えると、自分の投資方針が固まったらどちらか1本に絞る方が多くなるのではないでしょうか…?
ちなみに投資信託はいつでも積み立て停止や金額の変更ができるので、方針に合わせた銘柄選びをしてみてくださいね♪
まとめ
冒頭でも結論をお伝えしましたが、ここまでご紹介してきた通り
- 自分の投資方針が明確になれば、全世界への分散投資をする派か・S&P500でアメリカに投資をする派かが見えてくるはず
- ただし投資に正解はないので、迷ってしまってなかなか始められないくらいなら、両方に投資するのも間違いではない!
ということが言えるのではないでしょうか。
NISAで投資を始めたばかりだと特に、この2本は迷いやすい…。
自分なりの正解を見つけてみてね!
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