その株を何のために保有しているか?考える
今回の質問者さんは、『「配当株」が値上がりした時にどんな行動をするべきか知りたい!』ということですね。
結論から言うと、配当目的なら何もしなくてOK。
それよりも多分…今、投資の勉強をしているところで、情報がごっちゃになってしまっているかも!
まずは以下の、「株に対する一般的な考え方」を確認してみましょう。
- 優待株…その企業の優待を受け取る目的で投資。短期クロス取引・長期保有どちらもあり。
- 配当株…長期的に配当金を受け取るために保有。短期や1年のみの保有だと恩恵が最大に受けられない
- その他の株…値上がり益目的。「安く買って高く売る」で利益を出すので、値上がりしたら売却もあり
配当目的の株を売ってしまうのは…どうなんだろう?
持ち替えにはどんなメリットがあるかな?
配当株の考え方について、私なりの考えをお伝えします。
配当株を購入したら「何もしない」理由
配当株を購入したら基本何もしないという理由は、以下の2つ。
- 配当株の値上がりは「売却の理由」にならない
- 値上がり時の持ち替えはメリットがない
それぞれを詳しく確認していきましょう。
①配当株の値上がりは「売却の理由」にならない
利益が出ている時に株を売ると言うことは、「売却益」が欲しいと言うことですよね。
しかし配当株の場合は、「持ち続けることによる配当金」を投資の目的にしていますよね?
つまり「配当金が欲しいのに、配当株を売ってしまう」のは自分の投資の目線がずれてしまっている証拠です…。
配当株を買ったのはなぜか?→配当をもらい続けるため!
つまり、値上がり=売却の理由にはならないよね。
とはいえ、
- 自分の投資戦略が変わった・ポートフォリオ整理などを考えた結果の利益確定
- 「今後経営状態が悪化しそう」と感じたとき、利益が出ているのであれば早めに手放す
このような理由であれば、もちろん利確するのもあり!
大事なのはやっぱり「自分自身の考えや戦略」。
自分が何のためにその株に投資したのか?しっかり考えれば、自然と答えが見えてくると思います♪
②値上がり時の持ち替えはメリットがない
質問の中に「値上がり時に売却し、また同じ株を買い直す」とありました。
私は正直、これは全くメリットがないと思っています!
- 売ってすぐに買い直すくらいなら、そもそも売らないで持ち続けるべき
- どうしても利益確定したいなら、確定した後は買わないで様子見or売りを入れる(空売りは初心者さんには向かないので推奨していません)
「配当株が値上がりした→売却する」という考えに行き着く理由は、おそらく「大きく上がったから、この先一度下がるのではないか?」というものではないでしょうか。
しかしこの場合…利確するところまでは良いですが、「これから下がるかも」と思っている株を持ち替えで買うのって…?
売ってすぐに買いたいくらいの株なら、売らないで!
取得単価が上がってしまって損する可能性も。
まとめると、配当株が値上がりした時にやるべきこととして「利確」は違うと言えます。
【番外編】持ち替えをするなら、年末の「損出し」ならアリ
「持ち替え」というワードを見ると、もしかすると年末に行う「損出し」と混ざって考えてしまっている可能性があります。
年末に損失確定の売却をし、すぐまた同じ銘柄を購入することで、その年に利益を確定させていることが条件です。
例えば…
- 1月〜11月の株利益が100万円
- 12月時点で含み損が50万円の株を保有中
この場合、12月に売ってすぐ購入することで
- その年の利益が100万円から50万円になる→節税効果がある
- 含み損がなくなる
というメリットが。
この場合の持ち替えはOK!投資家がよくやる手法です。
『配当株を購入したら「何もしない」理由』で解説したケースと違い、この「損出し」はメリットがあることが分かりますよね。
このように、投資に関するすべての行動において「これをするとどんなメリットがあるのか?」を考えるのが良いと思います!