米国株の購入タイミングの考え方
「円安(円の価値が低い)時に米国株を買うのは、為替の差が大きくて損になるのでは…?」
このような声が毎日のように私のもとに届いています。
確かに、その通り。
1ドル100円で交換できていたものが1ドル150円になると、通貨の交換の時点で損しているような気分になるよね…。
でも、必ずしも損とは限らないよ。
まずは、なぜ為替と株の価格がこのような変動をしているのかを見てみよう!!
冒頭の結論にも書いた通り、私は今の状況で投資をやめてしまうことが「機会損失」にあたると考えています!
※もちろん投資方針は人によって様々なので、投資を強要しているわけではありません。あくまで一つの意見として捉えてくださいね。
「米国株価」と「米ドル」の動きについて
そもそも皆さんは、
- 米ドルの価値が上がる時、米国株の価格は下落していく傾向にある
- 米ドルの価値が下がる時、米国株の価格は上昇していく傾向にある
ということをご存知でしょうか。
そう…円安かつ米高株安、という、日本人にとって都合の良い状況はなかなか来ないのが現実です。
この動きに大きな影響を与えているのが「アメリカの金利」です。
難しそう…と諦めてしまうのではなく、まずはこのページを最後まで読んでみて!
絶対に知っておくべき「金利」の話
ここで言う金利とは、「お金を預けるともらえる利息のこと」と考えてみてください。
2022年10月現在で、アメリカは金利を上げ続ける政策をとっています。
金利が上がったから、米ドルと株価に何の影響があるの?
例えば、株で年利3%を狙うよりも、米ドルを持って銀行に預けておけば年利5%になる状況。
銀行に米ドルを預けるだけで、株の配当よりも高い利息をもらえるのであれば…みんな米ドルを買って持っていたくなると思わない?
こうなると、米国株を売却して米ドルを欲しがる人が増えるよね!
つまりこの状況では、
- 米国株に入っていた大量の資金が流れる(売却して米ドルに変える人が増える)
→株価が下がる! - 米ドルを持っているだけで、株の配当よりも高い利息がもらえる
→米ドルの価値が上がる!(=円安ドル高)
ということが言えますよね。これが、2022年中盤までの円安ドル高・米国株安という状況です。
実際のチャートで確認してみましょう。
ドル円の5年チャート
ドル円が上昇している=円の価値が下がり、ドルの価値が上がっている状態です。
これに対してS&P500は…
S&P500の5年チャート
アメリカの金利が上昇し、2021年中盤〜後半にドルの価値が一気に上がりはじめたこと(ドル円のチャートが右肩上がりになった)を皮切りに、じわりじわりと下降トレンドになっていることが分かりますね。
そもそものレートが違うから、上昇・下降スピードの振り幅は違う。
けれど、この金利・米ドル・米国株の相関を知ることに意味がある!
「今投資しない」のであれば、いつまで待つの?
ここまで解説した通り、
- 金利が上がる=ドルの価値が上がる=株価が下がる
- 金利が下がる=ドルの価値が下がる=株価が上がる
という相関がある、ということは投資家の中で広く知られていることです。
しかし…!おそらくみなさんの言う「理想の状態」は、「ドルの価値が下がり、米国株も安い状態」ですよね。
私も正直、こんなボーナスタイムが来てほしい!っていつも思っています。
1ドル100円で為替の交換ができて、かつ米高株も安いと言う状況は、日本人投資家にとっては最高!
しかし、上で説明した
- アメリカ金利
- 米ドル
- 米国株
の関係を考えると、こんな絶好のタイミングが来ると言うことはほぼあり得なさそう…と言うのが本年です。
確かに…。金利が下がったら、ドルの価値が下がる(円高ドル安)。
けど、米ドルの金利が下がったら投資家の資金は米高株に向かうから、仮に今後円高に戻ったとしても…その時は米国株価が高くなっているかもしれないと言うことだね。
未来の値動きは誰にも分からない!
「円安の時に米国株投資は損をする…」。言いたいことはとっても分かります。
でも、このページをここまで読んでくださった方であれば
- 円高になるまで待つとしても、それって果たしていつ来るの…?
- 仮に円高の状況になったとしても、その時は米国株価が上がっている可能性も高い
という結論になりますよね。
もちろん、私を含めて将来の値動きは誰にも分からない。
明日円高・株安の状態が来るかもしれないし、100年後かもしれない…!
このような理由から、私は「機会損失をしたくない!」という思いで無理なく少額でのコツコツ投資を継続するという結論に至っています。
「始めない理由」ではなく、視点を変えて「始める理由」を探すのが良いかもしれませんね。