つみたてNISAは「20年間の非課税期間がある」というのが最大の魅力である投資方法。
しかしもう一つ知っておきたい大切なポイントが、「投資可能期間=25年」という情報です。

非課税期間は20年なのに、なんで「25年」が出てくるの?



そうだよね。この部分を知らない方が、実はとっても多い!
「20年」「25年」という2つの期間についてはしっかり理解しておく必要があるよ。
本記事では、
- 「20年」と「25年」の違いと理解のしかた
- 非課税期間が終わった後の投資信託の扱いについて
- つみたてNISAはいつ始めるべきなのか
これらの3点について徹底的に解説していきたいと思います。
この記事を書いた人


この記事を書いている私は、投資歴5年以上です!失敗も経験しながら、主婦でもできる堅実な資産運用をしています!将来になんとなく不安がある・・と言うあなたに、分かりやすく資産運用の方法をお伝えしますね!
「投資可能期間」と「非課税期間」の違い


まずは2つの用語の意味を確認しておきましょう。



この2つを理解するには、まず両者を切り離して考えることがポイントです。
投資可能期間について


文字通り、「つみたてNISAに投資可能(投資信託を購入可能)」な期間。これはつみたてNISAをいつ始めても2042年までと決まっています。
始めた年 | 投資可能期間 (2042年までの残り年数) | 投資可能額 |
---|---|---|
2018年 | 25年 | 1,000万円 |
2019年 | 24年 | 960万円 |
2020年 | 23年 | 920万円 |
2021年 | 22年 | 880万円 |
2022年 | 21年 | 840万円 |
2023年 | 20年 | 800万円 |
2024年 | 19年 | 760万円 |
2025年 | 18年 | 720万円 |
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ここまではOKかな?
まだ非課税枠については考えなくてOK。単純に「いつ初めても、2042年までしか買付できない!」ということです。
非課税期間について


非課税期間は、「その1年間で購入した投資信託が、20年後まで非課税で運用できます」という期間を指しています。
- 以下の金額は一例であり、1年間の購入可能金額は一律40万円までです。
購入年 | 【例】1年間の投資金額 | 非課税額と期間 |
---|---|---|
2020年購入分 | 30万円 | 元金30万円+利益分が 2039年まで非課税 |
2021年購入分 | 35万円 | 元金30万円+利益分が 2040年まで非課税 |
2022年購入分 | 40万円 | 元金40万円+利益分が 2041年まで非課税 |
2023年購入分 | 40万円 | 元金40万円+利益分が 2042年まで非課税 |
: | : | : |
2042年購入分 | 40万円 | 元金40万円+利益分が 2061年まで非課税 |



下の図を見てみましょう。
つみたてNISAの非課税期間は「始めてから20年」ではなく「その年の投資枠40万円ごとに20年間」付くといったイメージです!


ここまでのまとめ
- 投資可能期間は、いつ始めても2042年まで。つまり、遅ければ遅いほど投資可能期間が短くなる。
- 非課税期間は、「その1年間」の投資枠40万円に対し20年間付いてくるもの。
2018年に買ったものは2037年まで、2022年に買ったものは2041年まで…のように、1年ごとの購入額で考えるのがベスト。
【21年目以降の話】非課税枠が終わってしまったら、その資金はどうなるの?





「投資可能期間」と「非課税期間」が全く別物なのは分かった…。
じゃあ、「非課税期間」が終わってしまった投資信託たちってどうなるの…?



上で説明したことが理解できていれば、この質問が出てくると思っていました!
ここからは非課税期間が終わってしまった投資信託の扱いについて、簡単に紹介します。
結論から言うと、非課税期間が終わってしまった投資信託はつみたてNISA口座から課税口座に移動されます。



では、どのように移動となるのか?
下の図の左側、黄色の背景の部分を見てみましょう。


例えば2020年に投資信託40万円分を購入し、20年後の2039年に元金+利益で50万円になっていたとします。
課税口座に移行するときは、この「元金+利益」の金額が非課税でそのまま課税口座に移行される仕組みになっているのです。



なるほど!
この場合、2039年になったら手持ちの投資信託の中から2020年分の元金+利益だけが課税口座に移行されるんだね!



そう、その通り!!
翌年以降の流れも同じ。2021年分、2022年分…と毎年課税口座に移行されていくよ。
なお、課税口座に移した後に発生した利益については通常と同じく約20%の利益が発生します。
すぐに始めないと機会損失になる理由


「つみたてNISAの非課税期間は20年間だから、いつ初めても遅くない!」と思っている方が多いようですが、実はこれは間違いなんです。



確かに、非課税期間はいつでも20年間ある…。
けど、この場合の焦点となるのは「合計の投資可能額」の方なんです!
ここで、上ので紹介した「投資可能金額の考え方」をみてみましょう。
始めた年 | 投資可能期間 (2042年までの残り年数) | 投資可能額 |
---|---|---|
2018年 | 25年 | 1,000万円 |
2019年 | 24年 | 960万円 |
2020年 | 23年 | 920万円 |
2021年 | 22年 | 880万円 |
2022年 | 21年 | 840万円 |
2023年 | 20年 | 800万円 |
2024年 | 19年 | 760万円 |
2025年 | 18年 | 720万円 |
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上の表を見ると、2018年に投資を始めた人の投資可能金額は上限1,000万円まで。対して、2022年に始めた場合は840万円と下がってしまっていることが分かります。



つまり実は…今年始めた人でも、2018年に始めた人と比べると既に機会損失がある状態。
これが2023年になってしまうと、また40万円減ってしまう!



なるほど!これが、「早く始めないと機会損失をしてしまう」という理由なんだね。
このように「機会損失」の観点で見ると、来年よりも今年、来月よりも今月と「早いタイミングで始めた方が良い」ということが言えるのです。
コメントに寄せられた質問&回答


最後に、インスタグラムのコメント欄で寄せられた質問に対しての回答を掲載していきます。
①2042年に始めたらどうなるの?
つみたてNISAの「投資可能期間」は2018年から2042年まで。
もちろん最後の年に始めることもできるのですが買付可能なのは2042年のみで、2043年には新しく投資をすることがができません!



「2042年に買った最大40万円分の投資信託たちを、2061年までの20年間非課税で運用できる」ということだよ!
②非課税期間20年が終わったらどうなるの?
つみたてNISAの口座で20年間運用を続けた元金+利益は、利益も含めて課税口座に移動されることになっています。



つみたてNISAで運用していた時に出ていた利益に関しては、非課税のまま移動ができます。



すぐに売却しなくても良いんだね!
現金として必要になるまで投資信託として寝かせておくことで、「複利の効果」で増え続けていくことが期待できます。
また、もちろん売却することも可能。詳しくは、「つみたてNISAの出口戦略」記事で開設していますので、併せてチェックしてみて下さいね!
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③「1,000万円」とありますが、非課税投資枠は20年で最大800万円じゃないの?
「非課税投資枠=最大800万円」と言うのは正しい捉え方ですが、それは「その時点での」考え方です。
トータルで考えると、2018年に投資を始めた人は単純に40万円×25年で1,000万円の投資が可能。
そして、2018年に初めても2023年に初めても、つみたてNISAで最後に投資ができるのは2042年なのです。



この場合、2018年に開始した人でも2042年に買付する40万円は非課税なの。
なぜかというと、2018年〜2022年の5年間の枠は既に非課税期間が終わっていて課税口座にスライドされ、その分非課税枠が空いた扱いになるから!
この情報と捉え方は、2022年2月に日本証券業協会に確認済みです。



この辺りは理解するのが少し難しいかも…。
わからなかったら、「非課税期間について」の部分をもう一度確認してみてね!
非課税枠は1年ごとに40万円減っていく。思い立ったらすぐ始めるべき!
今回の記事では「つみたてNISA・9割が間違えていること」と題して、投資可能期間と非課税期間の違いにフォーカスを当てて解説をしてきました。



実はこれ、私も知らなかったことなんです…!
「非課税期間20年」ばかりに目を取られがちなので、知らない方も多いかな?とシェアしてみました!
「早くやらないと損!」という話は聞いていたけれど、いまいち根拠が分からなかった…と言う方も、本記事を読んでいただければ「つみたてNISAを早く始めるべき理由」が分かっていただけたかと思います。



始めるのが数ヶ月遅くなってしまったとしても、年内であれば40万円分投資することが可能!
今は価格が下落しているので、以前よりも安く投資信託が買えるタイミングでもあります。
年が変わる前にぜひ、1日100円からでもできる資産形成「つみたてNISA」を初めてみてくださいね。
つみたてNISAの始め方はこちら

